『コヨーテ』1巻 座裏屋蘭丸
今回もコミックスを読むのは初めての作家さんです。
と言っても、コミックスは初めてだけど、漫画は『PINK GOLD』で読んだことはあります。絵が奇麗なので、ずっと気にはなっていたのですが、やっとコミックスをGET。
※ネタバレが嫌な人は引き返してください。
〈あらすじ〉※カバー裏を引用
〈人狼〉であることを隠しながら暮らすコヨーテは、バーで働くピアニスト・マレーネに会う度口説かれる。人狼ゆえ彼と深く関わることを避けようとするが、ある日、前触れもなく初めての発情期が来てしまい、人の姿を保てずにいたところをマレーネに見つかってしまう。彼の誘いを拒もうとするコヨーテだが…。
〈感想〉
座裏屋さん、好きです…!(告白)
『PINK GOLD』を読んだときも、間接的なやりとりが上手い気がしてストイックな色気を感じたのですが。今回も、コヨーテとマレーネのやりとりが駆け引きめいていてドキドキします。
濡れ場など直接的なシーンを描いていても、下品になりすぎなくてどことなく上品なところも好きです。
静かに物語は始まります。ヨーロッパのどこかの街(?)のバーでピアニストとして生活するマレーネ。マレーネのピアノを聴くためにバーに通うコヨーテ。そんなコヨーテに興味をもち、口説こうとするマレーネですが、「迷っているくせに」とコヨーテはつれない。
つれない…ここ、私の萌えポイントです。簡単に落ちる相手より、こういうふうに身持ちが固くてなかなか手に入らない相手を攻略する方が萌えますよね!
コヨーテが発情期になった後も、なかなかコヨーテはさせてくれなかったり、さっさと家に帰ってしまったり。実はウブなコヨーテに、経験豊富でモテそうに見えるマレーネが振り回されている姿がいい!コヨーテをつなぎ止めるのに、マレーネは必死です。
そして、1巻の後半。
敵同士だけど、愛し合ってしまう。私は、そういう設定が大好きです。わかりやすい例としてはロミオとジュリエット。好きなのに、好きになることは許されない。許されないがゆえに、更に盛り上がる愛。
マレーネとコヨーテも、期せずしてそういう関係に飲み込まれてしまいます。お互いの素性がわかり、愛するわけにはいかない相手と判明。
さて、どうなる…!?というところで1巻が終わっているので、次巻が非常に楽しみです。
BL漫画で最初から1巻という表記がついているものはけっこう珍しいです。たいていはお試しで1巻分を巻数表記なしで出して、人気が出たらシリーズとして続けるパターンが多い。それが、今回は最初から巻数表記ありで出しているのだから、ダリア編集部の作品への自信がうかがえます。