乙女の書庫。

見たり読んだりしたものの覚え書き。

熱き登山家たちのドラマ『MERU/メルー』

今年3本目の映画は『MERU/メルー』。

meru-movie.jp

以下、公式サイトによる紹介を引用。

ヒマラヤ山脈メルー中央峰にそびえる岩壁“シャークスフィン”。
この難攻不落の直登ダイレクトルートに挑んで敗れた3人の一流クライマーたちが、
過去や葛藤を乗り越え、再び過酷な大自然に立ち向かっていく姿を描いた、
壮大なスケールの山岳ヒューマン・ドキュメンタリー。

 

私も登山をほんのほんのほんの少〜し齧った身なので、興味津々で見てきました。

 

見て思ったのは、やはり登山家ってクレイジーだな、ということ。

食料がわずかになって、その状況だったら撤退するしかないでしょ!という時でもガンガン登っちゃうし。まあ、諦めきれないのもわかるんだけど。

 

中でも心に残ったのは、この映画の監督でカメラマンで主役の一人でもあるジミー・チンの言葉。

彼は、母親と「必ず生きて帰ってきて」という約束をした上で登山を続けていたのだけど、母親が亡くなった時、彼は何と思ったでしょう?

「前が開けた気がした。」*1

「前が開けた気がした。」ですよ?*2

今まで母親に気をつかって登っていたけど、約束する相手がいなくなったので、もっと危険な山やルートにも挑戦できると思ったということですよね。

この言葉に登山家のサガが現れている。

 

映画の中で、登山家は家を持たずに車中泊をしているような人も多い、と説明されていたけど、やはり登山で厳しい自然に触れると、社会の常識とか馬鹿馬鹿しくなってしまうんですかね?

それとも、社会からはみ出しているからこそ、登山に惹かれてしまうのか。

卵が先か鶏が先か、みたいに答えは出ないかもしれないけど気になります。

 

 登山だけを描いているのではなく、登山家の人生も描いた映画なので、登山に興味が無い人でも楽しめるのでオススメです!

登っている3人、それぞれにドラマがあり、思わず応援したり感情移入してしまいます。

登っている本人が映像も撮っているので、リアリティのある高所の映像も必見。

 

見た後、スカッとした気分になるので、何か悩んでいる時に見たら、前を向く勇気を貰えそうな映画です。

 

*1:映画を見たのは1ヶ月前なので、正確にはこの言葉ではなかったかもしれないけど、だいたいこんな意味の言葉でした。

*2:大事なことなので2度書きました。