乙女の書庫。

見たり読んだりしたものの覚え書き。BL成分注意。

感じたのは圧倒的な孤独。『ムーンライト』

4月1日に『ムーンライト』を見てきました。

感想を書くのが遅くなってしまった…。

ラストについて言及があるので、ネタバレ注意!

moonlight-movie.jp

今、公式サイトのトップページで流れる予告を見ると、いかにも恋愛ものっぽい編集になっているのですが、私が見る前はこんなにわかりやすい予告ではなくて、イマイチどういう話なのかわからないまま見に行きました。

事前にわかっていたのは、主人公は黒人で男性に恋するということぐらい。あと、アカデミー作品賞受賞。

で、実際に見ても、一言では表しにくい映画だな…というのが正直な感想です。たしかに恋愛しているけど、それだけでもなくて。難解というか、見ている人に委ねられている映画と言うか。

タイトルにも書きましたが、私が感じたのは圧倒的な孤独。親はろくでもなくて、自分は他人とは違うみたいで、学校ではつまはじきにされて。

孤独。孤独。孤独。それだけは伝わってきました。

 

 

 

以下ネタバレ。

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『MY STYLING BOOK』日比理子

おしゃれ本の感想第3弾。

作者の日比さんのblogも愛読してます…!

MY STYLING BOOK ~いつもの服でおしゃれな雰囲気のつくり方!~

MY STYLING BOOK ~いつもの服でおしゃれな雰囲気のつくり方!~

 

〈良かった点〉

すごく尖っているとか、めちゃくちゃオシャレというわけではないけど、「普通の服を綺麗に着こなす」。そんな方向のファッションを目指している人にはおススメです。ベーシックな服を如何に着こなすかに主眼が置かれています。

スタイリングで使用している服も、UNIQLOやGAPなどのプチプラ服が多くて、真似しやすいです。

「たくさん服を持ってればいいのよ」的なマインドではなく、「必要以上に服は増やさない」という考えも堅実で、好感が持てます。

 

〈私には合わないと思った点〉

この本の考えやファッションは共感できる点が多く、合わないと思った点は殆どないいのですが…。強いて言えば、1冊に書きたいこと全部詰め込みすぎて、本の構成が散漫な気がしました。

あと、裏技として紹介されていた「パンプスからフットカバーを見せない裏技」。早速試してみたのですが、速攻脱げました。私みたいに普通に履いていてもフットカバーが脱げてしまうようなタイプの足の人には無理ですね。

 

『賢いクローゼット』鈴木尚子

今回もおしゃれ本の感想です。

作者の鈴木尚子さんはクローゼットオーガナイザーとして活躍されていて、blogも愛読してます。以前発売した『シンプルベーシックなMy Styleのつくり方』もおしゃれの教科書的な作りでおすすめです。

賢いクローゼット

賢いクローゼット

 

〈良かった点〉

写真は無く、文章とイラストだけの本なので、具体的なコーディネートは載っていません。なので、あくまでもおしゃれに対する考え方を学ぶ本です。具体的なコーディネートが載っていると、どうしてもそれに引きずられますよね。「この服は私に合わないので参考にならない」とか、発行から年月がたってしまうと「このコーディネートは今は通用しない」など思ってしまいますが、この本は文章だけなので、考え方を学んで、自分でおしゃれに生かさなければいけません。目先の具体例を真似するというよりは、根本的な考え方を知りたい人にはいいと思います。

服の処分や収納などについても書かれています。おしゃれをする上で、処分と収納は切っても切れない話題なので、そこも一緒に切り込んでいるのはありがたい。

「10年着られるは、一昔前の話」とズバッと書いてあったのは同感です。いくら質がよくて高額な服でも、実際に10年切られるものって少ないです…。最近は流行の移り変わりが早いし、例えばシンプルなTシャツでも10年前の服と今の服ではシルエットが違うんですよね。あと、いくら服は良くても、自分が年をとってしまって、10年前の服は似合わなかったりします。

 

〈自分には合わないと思った点〉

例えば、独りよがりのファッションをした女性は、大抵、性格的にもバランス的が悪く、友達が少ないもの。

逆に、TPOをわきまえて人に好感を持たれるファッションをしている人は、周りに人が集まってくるし、人気者です。

これはさすがに言い過ぎではないかと思いました。私の周りには独特のファッションセンスだったり、端から見るとダサい服装をしていても、人気者で友達が多い人が何人もいます。逆に、見た目はオシャレでも、話しかけると全然つまらなかったり、性格が悪く、孤立している人もいます。

たしかに、初めて行く場所で声をかけやすかったり第一印象がいいのは、後者のファッションです。おしゃれはマナーでもあるので、場になじむ好感を持たれやすい服装をすることも大事です。人は自分と似たタイプどうしで固まる傾向があるので、あまりにも尖ったファッションや浮いているファッションの人は、周りから理解を得られにくかったり、人が寄って行きにくい損なタイプではあるかもしれません。でも、それだけで、実際の性格がどうかはわかりませんよね。ファッションだけで人格まで決めつけるのはどうなのでしょう…。

 

 

『外資系OL AIのファッションの法則』AI

外資系OL AIの毎日がときめくファッションの法則

外資系OL AIの毎日がときめくファッションの法則

 

ファッション本を読むのが好きです。

コーディネートそものもを参考にするというよりは、作者のコーディネートに対する考え方を参考にしています。

今回は、blogも愛読していたAIさんの本です。

 

〈良かった点〉

外資系OL」とタイトルにもあるとおり、リアルな通勤コーディネートを紹介しています。blogやブロガー発のファッション本は、主婦のプチプラコーデやカジュアルなものが多く、通勤コーデを紹介するものが意外と無いんですよね。スタイリスト本はハイブランドで固めていて、全然実用的じゃないし。実際に真似できる通勤コーデ本は貴重です。ただ、外資系のせいか、通勤コーデの中でもカジュアルめなので、お固い会社ではこの服装は許されない可能性があります。

また、AIさんのファッションは、靴やバッグはハイブランドばかりですが、服はUNIQLOなどのプチプラと、ブランドでもTOMMORROW LANDなどの手が届くショップのアイテムを組み合わせているのもポイント。さっきも書きましたが、プチプラブームのせいか、プチプラブロガー本が多くて、こういうふうにプチプラと中堅ブランドの両方を上手くコーデしている本は少ないので、両方を上手く使いこなしたい人にもおススメです。

当たり前のことだけど、服のお手入れや下着について書いてあるのも良かったです。コーデには気をつかっているのに、下着が服に響いていたり、スケスケだと恥ずかしいですからね。けっこう、そういう人を電車の中で見ます。周りにいやらしさを感じさせないようにする、気をつかわせないようにするのも、洋服の大切なマナーです。

 

〈私には合わないかなと思った点〉

身体のラインが出るようなぴったりした服やミニスカートが多くて、ゆるっとした雰囲気や膝丈・ロングスカートが主流の今のトレンドからすると、少し古いような気もしました。この本が出版されたのは2014年ですが、その後更新されたblogを見ていてもピッタリした服やミニスカートが多かったので、AIさんがそういう服を好きなのだと思いますが…。

宗教って何?神って何?『沈黙-サイレンス-』

『沈黙-サイレンス-』を見てきました。

chinmoku.jp

17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教 (信仰を捨てる事)したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは 日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。

日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。そして次々と犠牲になる人々―

守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは―

 公式サイトより引用

 

タイトルにも書きましたが、「宗教、神とは何なのか」を考えてしまう映画でした。

最近の世界情勢や、宗教が起こす事件などを見ていると、行き過ぎた信仰は人を排他的にする気がしてしまって。あまり良い印象がないです。もちろん、宗教によって救われる人もいるのでしょうが…。

映画の中で、キリシタンたちは処刑されるとわかっていても、踏み絵や十字架に唾を吐くことを嫌がります。キリストが描かれた絵や十字架は、ただの偶像なので、心の中でキリスト教を信仰していても、こういう場合は、踏んだり唾を吐いてもいいのでは…と特定の宗教への信仰を持たない私は思ってしまいました。信仰は心の問題なので、そんな形式張ったもの(偶像)に囚われなくてもいいんじゃないかな。

教会のシステムや偶像も後世の人が作ったもので、信仰の本質ではないので、そういうことにこだわるのはナンセンスな気がしました。キリスト教について詳しくは知らないので、的外れだったらすみません。キリスト教にしても、他の宗教にしても、最初は考え方みたいなものを説いていたのではないかと思うんです。それが、時代を重ねるにつれ、どんどん形式・格式めいたものになったり、後世の人の思惑によってやたら神聖視されたり、解釈が変わっていっているような気がしていて。

人は何かしらの安らぎや救いを求めて信仰を持つと思うんです。もちろん、ただ単に甘いだけが宗教ではなく、心を鍛錬するために厳しい修行もあるでしょうし、何かを成し遂げるためには試練を乗り越えることも必要でしよう。でも、この映画で描かれているキリシタン狩りは、試練というにはあまりにも重すぎて、絶望的なものです。個人の力でどうこうできるものではない。これを試練と捉えて、形式や偶像を尊重するあまり、無意味に殺されていくなんて、宗教として本末転倒な気がしました。

映画の中でも主人公のロドリゴ神父は葛藤していましたが、仮に神(またはキリスト?)がこの場にいたら何と言うでしょうか。「信仰を守って最後まで踏み絵をせず、死になさい」と言いますかね?それとも、「信仰はあなたの心にあればいいのです。今は踏み絵をして生きなさい」と言いますか?前者だとしたら、あまりにも勝手すぎませんか。神が本当に慈悲深いのだったら、後者を言うと思うのですが…。

そして、神様ってなんなんでしょうね。世界を見ると何の罪もない人がたくさん死んでます。悪い人が得をして、善い人が損をしていたりします。

宗教によって色々な考え方はあると思いますが、生きているうちに善い人を助け、悪い人を罰するのが神なのでしょうか。または、死後何らかの報償を与えたり、罰するのが神なのでしょうか。それとも、善いものも悪いものも全て受け止めるのが神なのでしょうか。苦しいとき、一緒に苦しんでくれるのが神なのでしょうか。

現実的に考えると、神なんていないと思ってます。そんなものは人間が作り出した都合のよい存在でしかない。でも、そんな私でも寺社仏閣を巡るのは好きだし、そこではお祈りしたりする。罰当たりなことをするのも抵抗がある。なんか有耶無耶な存在。やっぱり心の拠り所みたいなものが欲しいのかな。

感想というより、自分の宗教観みたいな話になってしまいましたが、普段考えないことを考える良いきっかけになりました。

映像も、台湾で撮っているのに、すごく和を感じる風景やカメラワークがあって、面白かったです。